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第9回:big とlargeの違いは何?

子どもに聞かれて困らない英文法のキソ[子ども英語先生編]
2020/1/8up
子どもたちの疑問や質問の答えに窮したことはありませんか? 子どもたちに英文法を分かりやすく説明するのは、なかなか簡単ではありませんね。 ここでは、『子どもに聞かれて困らない英文法のキソ』(アルク刊)の著者である大竹やすまさ先生に、子ども英語の先生に向けて、本書の中から新たに加筆いただいた内容(全12回)で、分かりやすくご解説いただきます。

第9回:big とlargeの違いは何?

Q.①と②はどちらも「大きいTシャツ」ですが、違いはなんでしょうか?

① a big T-shirt

② a large T-shirt

「形容詞」は、身のまわりの人や物の特徴などを説明するときに活躍します。「大きい」や「小さい」など物の大きさについてだけではなく、「新しい」「幸せな」など、状態や気持ちについても表すことができますし、使い方も名詞にくっつけるだけと非常に簡単で学習者にはありがたい存在です。ところが、なんだか似ている意味を持つ語が多く、どちらを使っていいのか迷ってしまうという問題も抱えています。

冒頭のクイズもその一例で、bigもlargeも日本語訳としては「大きい」という語で表されたりすることが多いのではないでしょうか。こういう違いを子どもたちに伝えるのは「ニュアンス」に関係することなので、かなり大変です。bigとlargeの違いは何なのか。今回のポイントは「主観的」かどうかです。

基本的に形容詞は「主観的」に使われるものが多くあります。

(A) Mary: There's a big bug on the wall!
   Tom: Mary, that's only a small bug.

(B) Look! There's a big mouse on the road!

(C) Look! There's a small elephant in the bush!

(A)は、Maryが壁にいる虫を発見し驚いている場面ですが、Tomの反応はやや冷静です。壁にいるのが「大きな虫(a big bug)」なのか「小さな虫(a small bug)」なのかは、虫を見ている人の「主観」が反映されているようです。Maryは虫が嫌いなのでしょう。他の人から見たらほんの小さな虫であっても、Maryにとっては十分に大きい虫だと感じてしまうということですね。

bigとsmallが表す大きさは、ときに逆転してしまうこともあります。(B)が表している「大きなネズミ(a big mouse)」と(C)の「小さなゾウ(a small elephant)」は一体どちらのほうが大きいでしょうか? 道端にいるネズミが、小さいとはいえゾウよりも大きいことはまずありえませんよね。ここでもbigとsmallは「主観」や「個人の印象」によって使い分けられているといえます。

それでも中には使い分けのポイントが「主観」と「客観」で分かれている形容詞もあります。実はそれがbigとlargeなのです。

(D) Japan is a big country.

(E) Russia is a large country.

bigは「主観的」な大きさを表すので、a big countryは「大国」です。日本は小さくても存在感は示しているぞといった感じでしょう。一方、largeは「客観的」な大きさを表す語なので、面積や人口などの数値から「ロシアは大きい国だ」と伝えていることがわかります。「広い国」と言ってもいいでしょう。

a big brotherは「兄」になるのに、a large brotherが「カラダの大きな兄(または弟)」になるのは、bigが持つ主観性から「大きな存在、偉大な存在」のような意味を持つためだったのです。カラダが小さくてもお兄ちゃんはお兄ちゃんなのです。

冒頭のクイズもこれと同じです。①も②も「大きなTシャツ」に変わりありませんが、 a big T-shirtはSサイズであってもかまいません。着る人にとって大きいと感じているかどうかを表しています。しかし、a large T-shirtは客観的に大きなTシャツを表すので、誰が見ても大きい、Lサイズくらいの大きさであると考えられます。

では、このことを子どもたちにどのように伝えればいいでしょうか。ネズミとゾウの話から形容詞の主観的な使い方に気付かせてみたり、「シャツや飲み物を注文するとき、なんでBigサイズとは言わないんだろうね」と、意味の違いを考えさせるきっかけを与えたりしてみるのもいいかもしれません。

形容詞だけに限ったことではありませんが、似ている意味を持つ語は数多く存在します。そのうちのどれか一つを覚えて、「その一語だけを使えば多くの類義語を覚える必要はない」などという「省エネ」な考え方は、英語を使用する感覚をひどく鈍らせます。もちろん、語彙を増やすのは大変です。それでも、わずかな違いを身につけていくことが豊かな表現力につながるということをわたしたちは忘れてはいけないのです。

大竹保幹(おおたけ やすまさ)

神奈川県立多摩高等学校教諭

大竹保幹(おおたけ やすまさ) 先生

1984年、横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)表彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーヴン・キング。著書に『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』、『まんがでわかる「have」の本』(アルク)。

子どもに聞かれて困らない英文法のキソ

『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』(アルク)

大竹保幹(おおたけ やすまさ)

本書では、30パートの英文法の項目ごとに分かりやすい言葉で説明しています。冒頭にはクイズが用意されており、また雑学的な小話も盛り込まれているので、楽しみながら英文法を復習することができます。

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