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厳選ワード(2)『Let's Try!』と『We Can!』

今だから知っておきたい厳選ワード

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2019年2月6日)のものとなります。予めご了承ください。


厳選ワード(2)『Let's Try!』と『We Can!』


『Let's Try!』と『We Can!』を知っていますか。
これらは2018年度からの移行期間に使用されることを想定した、文部科学省作成・発行の「新教材」です。「教科書」とは呼ばれないのは小学校での「外国語(英語)」がまだ正式に教科になっていないことと、この教材が教科書検定を経ていないためです。3年生で『Let's Try! 1』、4年生で『Let's Try! 2』、5年生で『We Can! 1』、6年生で『We Can! 2』を使用する想定です。それまで小学校で使われていた副教材『Hi, friends!』と比較して扱う語彙や表現が増え、語彙数はおよそ600~700語になり、使用表現では過去形の不規則活用形や三人称の He と She などの学習要素が新たに入ったことが話題を呼びました。

デジタル教材には音声、映像、インタラクティブなゲームの要素も入り、絵カードは絵と文字の大きさのバランスを変えた複数のバージョンが用意されるなど内容の充実が図られています。各小学校でパスワードを使ってデータをダウンロードする配布方式が取り入れられるなど、ICT活用を見据え小学校のデジタル活用環境の整備への布石としての役割も担っているようです。

『Let's Try!』は中学年で各35時間、高学年用の『We Can!』は各70時間かけて一冊を進めることを想定して作られています。しかし移行期間の英語活動・英語を年間何時間、どのように確保するかは各自治体、各小学校の裁量に委ねられています。フルに先行実施しているケースはまだ多いとは言えません。そして、本来3年生から積み上げる想定の時間数(5年生までに70時間、6年生までに140時間)を経てきた児童は全国でもごく限られています。本来十分な音声による慣れ親しみを経てからのはずの高学年の教材を、その積み上げ無く扱わざるを得ない、つまり今の時点で子どもたち、そして先生たちも、かなり「背伸び」してこの教材を使っているのが多くの指導現場の現状です。

次期学習指導要領が実施される2020年度以降、中学年の外国語(英語)活動では『Let's Try!』は教材としてそのまま使われ続ける見込みです。教科となる高学年では、『We Can!』に代わって検定教科書が使われることになります。中学校の英語の教科書などと同じように、複数の出版社からそれぞれに特徴のあるものが出てくることが期待されています。

新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について(文部科学省HPリンク)


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著者プロフィール


狩野 晶子先生狩野 晶子
上智大学短期大学部英語科准教授
小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)理事、指導者育成トレーナー、トレーナー検定委員。英語授業研究学会理事、関東支部事務局長。児童英語教育学会(JASTEC)関東支部運営委員。
専門は第二言語習得、早期英語教育。近年はとくに児童英語、小学校英語の分野での実践、研究を進め小学校での英語指導、実践研修に携わる。英語教育に関する著書に加え文部科学省検定教科書や辞書、教材など多数執筆。
近著:『小学校英語教科化への対応と実践プラン』(共著・吉田研作編)(教育開発研究所2017)、『新学習指導要領の展開 外国語活動編』(共著・吉田研作編)(明治図書2017)、『新学習指導要領の展開 外国語編』(共著・吉田研作編)(明治図書2017)。

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