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<第13回>コミュニケーション能力(Communicative Competence)

CLTとは何か?

【第13回】 コミュニケーション能力(Communicative Competence)

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2018年9月5日)のものとなります。予めご了承ください。



そもそも「コミュニケーション能力(communicative competence)」とは何でしょう? いくつもの定義がありますが、ここではカナダの言語学者、カナーリーとスウェインのモデルを参考にお話しします。

彼女らはコミュニケーション能力には「文法能力(grammatical competence)」「談話能力(discourse competence)」「社会言語的能力(sociolinguistic competence)」そして「方略的能力(strategic competence)」の4つの要素が含まれるとしています。

まずコミュニケーションを成り立たせるためには正確に言葉を使う力が必要です。そもそも疑問文の作り方を知らなければ人にものを尋ねることもできません。正しい文を作ったり、語を使いこなしたり、音を正確に操る(うまく発音する)ような能力を文法能力と呼びます。

しかし、これだけでは不十分で、話があちこちにとんだりせずに、ある程度まとまった内容をわかりやすく伝える力や、単文レベルではなく、まとまりのある内容を把握する力も必要です。このような内容のあるまとまりを「談話」と呼び、それを使いこなすことも必要になります。

また、日本語の敬語ほどの厳格さはないとは言え、英語を使うときも相手や状況に合わせて丁寧やカジュアルな言葉づかいを使い分けることも円滑なコミュニケーションを行うには不可欠です。このような使い分けの力を社会言語的能力といいます。

さらに、常に言いたいことが英語で言えるわけでも、全てを理解できるわけではないのも普通でしょう。そのような言語上の問題に直面したときに、何とか工夫して切り抜けてコミュニケーションを続ける力も大切で、それを方略的能力と呼んでいます。

従来の英語教育では文法能力だけを重視してきましたが、これからは他の3つの能力も合わせてバランスよく身につけるようにする必要があるのです。


●著者プロフィール


藤田 保
上智大学言語教育研究センター教授。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。アルクキッズ事業アドバイザーを務める。NPO小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)専務理事。著書に『英語教師のためのワークブック』『先生のための英語練習ブック』(ともにアルク)など多数。


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