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<第5回>タスク(task)とエクササイズ(exercise)

CLTとは何か?

【第5回】 タスク(task)とエクササイズ(exercise)

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2018年1月10日)のものとなります。予めご了承ください。



もしタスクが生徒たちに言葉を使って何かをさせることだとするならば、これまで行われてきたエクササイズとはどのように違うのでしょう。
最大の違いは、エクササイズは習った項目を繰り返し使うことで定着させ、その項目の正確な知識を身につけることを目的としているのに対し、タスクでは課題を達成することが目的になっているということです。

ですから、どのような言語形式を使っても、またそれが多少不正確だとしても構いません。必要に応じて非言語的手段を用いることも可能です。つまり、タスクは、あらかじめ「どう言う(伝える)のか」を決めずに、コミュニケーションする過程で言語能力を発達させていくという考え方に基づいているのです。

初めから正確に言える必要はなく、むしろ「言いたいことがあるけれど何と言っていいのかわからない」という焦燥感を持つことこそが、言語習得の促進につながります。タスクを達成させるために周りの人々とのやり取りを通じた助けを得ることが、以前にお話しした足場かけ(scaffolding)となり、そのような手助けを通じてZDP(発達の最近接領域:Zone of Proximal Development)を拡大させていくからです。

ちなみに、面白いことに「定着」という概念は日本の英語教育界独自のもののようで英訳が見当たりません。直訳して settlement といっても意味を成しませんし、自由自在に使いこなせるようになるacquisition(習得)とも異なるようです。むしろ教わった知識を身につけるという意味では memorization(暗記)が近いのかも知れません。
この「定着」を目指したエクササイズとは異なり、タスクの最終的な目標はあくまで「習得」であるという点はしっかりと抑えておく必要があります。


●著者プロフィール


藤田 保
上智大学言語教育研究センター教授。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。アルクキッズ事業アドバイザーを務める。NPO小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)専務理事。著書に『英語教師のためのワークブック』『先生のための英語練習ブック』(ともにアルク)など多数。


書籍紹介

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著者:藤田保 価格:2,200円(税込)


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