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<第4回>宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)、タスク(task)

CLTとは何か?

【第4回】 宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)、タスク(task)

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2017年12月6日)のものとなります。予めご了承ください。



コミュニケーションを円滑に行うためには文法の知識を身につけている必要があることは言うまでもありません。では、従来型の文法指導とフォーカス・オン・フォームのような 指導では何が違うのでしょうか。

例えば、「三単現のS」という規則は知っていても上級者(母語話者ですら)も間違えることがあります。一方で、複雑な文法構造を難なく使える母語話者は必ずしもその規則を説明できるわけではありません。
ひと言で「文法知識」と言っても、前者の「ことばについて説明するための知識」を宣言的知識と呼び、後者の「ことばを使いこなすための知識」を手続き的知識と呼んで、両者は区別されます。従来型の文法指導の最大の問題点は、生徒に宣言的知識は与えても、必ずしも手続き的知識をつけさせてこなかったという点なのです。

では、そもそも「文法がわかる」とはどういうことでしょうか。それは、形式(どんな形になるか)、意味(どんな意味を持っているか)、機能(いつ・なぜ・どのような状況で使われるか)の3拍子がそろって初めて文法がわかるということだと言われています。つまり、形式と意味がわかる(宣言的知識をつける)だけでは不十分で、どんな状況や場面で使われるかを理解して使っていなければ文法が身についたとは言えないのです。

では、どのように指導すればいいでしょうか。教室の中で実際にインターアクションを行い、使いながら覚えればいいのです。そのための手段のひとつに「タスク」の活用があります。タスクとは、コミュニケーションできるようになるために文法項目を練習するのではなく、コミュニケーションの中で使っているうちにその項目が使えるようになるための課題です。

「バラバラの絵を並べ替えて話を作る」でも「おすすめの給食メニューを作る」でもいいのですが、大切なタスクの特徴として言語学者のスキーハンは、

1.(形式ではなく)意味が最も重要
2.解決すべきコミュニケーション上の問題がある
3.実社会で行われるやりとり
4.課題の達成が優先
5.課題の成果による評価

を挙げています。
つまり、例えば「比較級を使う」ことよりも「より良いメニューを作る」ことが重要です。

また、タスクを考える際には、ある特定の表現や文法項目を使いたくなる状況設定をすることが大切です。


●著者プロフィール


藤田 保
上智大学言語教育研究センター教授。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。アルクキッズ事業アドバイザーを務める。NPO小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)専務理事。著書に『英語教師のためのワークブック』『先生のための英語練習ブック』(ともにアルク)など多数。


書籍紹介

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著者:藤田保 価格:2,200円(税込)


「教室英語の力をもう一歩先へ進めたい」と考える、小学校の英語活動や英語教室で教えている先生にぴったりの書籍です。5つの練習問題に繰り返し挑戦するうちに、英語で授業を進めるために必要な力を身につけられます。

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