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<第2回>発達の最近接領域と沈黙期(silent period)

CLTとは何か?

【第2回】 発達の最近接領域と沈黙期(silent period)

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2017年10月4日)のものとなります。予めご了承ください。



足場(scaffold)をかけてあげることで、一人でできなかったことができるようになる発達の過程について前回述べましたが、この補助があれば何とかなるという部分を、ロシアの心理学者L.ヴィゴツキーは「発達の最近接領域(Zone of Proximal Development:ZPD)」と呼んでいます。

周りの人々と関わりを持ち、コミュニケーションを繰り返していくうちにZPDが一人でもできる領域に変化し、その周りに新たなZPDができる。このようにしてできることの範囲が広がっていくのです。

このような観点から、教室を単なる知識を与える場ではなく、コミュニケーションをとりながら協働して学んでいく場に変えていくことによって子どもたちに本当の力を身につけさせよう、というのがコミュニケーション中心の考え方なのです。

では、周りの人々とやり取りをすることで言語能力が発達するのであれば、教室でも初めから生徒たちに無理にでも話させた方が良いのでしょうか?子どもが母語を習得する過程を考えてみると、生まれてから1歳前後まで子どもたちは何らかの「音」は出しても 「ことば」は発しません。また、ことばを発し始めてもしばらくはマンマ、バイバイなどの限られた単語にすぎず、意味のある会話ができるには2歳前後まで待つ必要があります。

しかし、これは子どもたちに言語能力がないというわけではなく、発話はできずとも聞いて理解する能力をしっかりと身につけているのです。このように黙って周りの人々のことばに耳を傾けている時期を「沈黙期」と呼び、言語習得においては不可欠な時期なのです。その意味で、初期からの発話の強制は逆効果になりかねません。


●著者プロフィール


藤田 保
上智大学言語教育研究センター教授。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。アルクキッズ事業アドバイザーを務める。NPO小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)専務理事。著書に『英語教師のためのワークブック』『先生のための英語練習ブック』(ともにアルク)など多数。


書籍紹介

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著者:藤田保 価格:2,200円(税込)


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