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#4 英作文の力を伸ばす指導

#4 英作文の力を伸ばす指導

キムタツ流 授業×家庭学習で生徒の力を伸ばす秘訣
2021/2/18up
灘中学校・高等学校の木村達哉先生による4回完結の誌上セミナー。生徒の家庭学習を促すために、授業でどのような活動・声掛けを行えば有効なのか、木村先生の日々の実践をもとにご紹介いただきます。

#4 英作文の力を伸ばす指導

英作文力を上げるには日本語力も必要

皆さん、こんにちは。木村達哉です。今回は英作文の指導について書いていきます。英作文の授業というと、昭和時代は生徒たちに板書をさせ、それを教員が添削するという形でした。さすがに現在はそういう形態での授業はほとんど行われていません。なぜなら、それでは書く力が伸びないということがわかったからですね。書く力を伸ばすためには、①語彙力増強、②英文法の知識定着、③英文構造の理解、④日本語の加工という要素が必要となります。順を追って指導をしていくことが肝要ですが、単に板書で添削するだけの指導では、特に④の力が伸びないことになってしまいます。

『新ユメタン』や教科書を使ってバックトランスレーションを重ねてきた生徒であれば、①~③の要素は身に付いているはずです。問題は④です。一朝一夕には身に付きませんし、英語の教員が必ずしも日本語の加工を得意としているわけではないからです。家庭での反復トレーニングを重ね、日本語のレトリックを見抜く目を持たねばなりません。下記の表は高3の授業をイメージしています。

指導上のTIPS

英作文の指導は、教員の解説が命です。問題集の訳例を示して終わり、あるいは板書に書かれた生徒の答案を黄色や赤色のチョークで訂正して終わりということでは、生徒たちの英作文力はまったくといっていいほど向上しないでしょう。考え方を教えるのが英作文の指導だからです。その点で言えば、英語の教員が必ずしも日本語を得意としているわけではないので、特に若い先生方は良い英語の先生になるために日本語のレトリックを勉強しておくほうがいいでしょう。

たとえば「私は本を書いてなんとか糊口をしのいでおります」を英作する場合に、「糊口をしのぐ」といった日本語特有の表現を知らなければ、教員も和文和訳をすることができないので英作できないはずです(I manage to make a living by writing books.)。英語のプロとは言いながらも日本語の勉強をしっかりと重ねておく必要があるということですね。

この点で『新ユメサク』はかなりの武器になります。ちなみにこの本は英会話学校の外国人講師が日本語を学ぶために使っているそうです。訳例を覚えるという学習ではなく、この日本語はこういう英語にできるのかを理解するために使っていただければ、著者としては嬉しく思います。 

ライティングの授業
家庭学習
月曜日 『新ユメサク』Unit 1
生徒たちが家庭で和文和訳(日本語の加工)の学習をしてきたことを確認する。その上で、別解が生じる可能性があるので、質問を受け付ける。質問を受け付けることによって、英作文がインタラクティブな授業になる。『新ユメサク』採用特典の日英対訳シート(通称「基礎トレシート」)を配付して、木曜日までにUnit 2の学習をしてくるよう指示。授業では大学の過去問等を使って書かせるが、京大や阪大の英作文でも日本語が加工できればいかに簡単な英語に直せるのかを、教員自身が作った数点の訳例を示すことで体感させ、さらに質問を受け付ける。
『新ユメサク』 Unit 2
配付された基礎トレシートを見ながら、日本語を英語に直す際にどのような語を空所に入れればいいのかを考える。空所に入れるべき語が複数ある場合もある(つまり許容解が発生する)ので、質問があればメモを忘れないようにする。
火曜日 授業なし
『新ユメサク』 Unit 2
月曜日に同じ。ただし、すでに空所に入れる語が明らかで、即座に言えるようになっているのであれば、日本語を見て、紙に正しく書けるかをチェックする。
水曜日 授業なし
『新ユメサク』 Unit 2
火曜日に同じ。この段階ではUnit 1の日本語だけを見て、どういう英語に直せるかのイメージはできるようにしておきたい。翌日の授業に備えて、自分はこのように英作をしたが、これだと駄目なのかといったような質問をメモしておく。
木曜日 『新ユメサク』 Unit 2
月曜日の授業と同じパターン。『新ユメサク』の訳例の別解がないか、他にどういう考え方ができるのかについて質問を受け付ける。難しそうに思える日本文でも、教員がしっかりと、かなり簡単な英語に直す例を授業で見せることによって、生徒たちに「これでいいのか」という安心感を与え、家庭学習へのモチベーションとする。したがって、教員の訳例が学習参考書に載っているような難しい訳例になると、学習への意欲が湧かないので気をつけたい。
『新ユメサク』 Unit 3
月曜日に行ったことと同じ。基礎トレシートを見て、日本語を見たら空所に入る語が思い浮かぶかどうかをチェックしていく。
金曜日 授業なし
『新ユメサク』 Unit 3
火曜日に同じ。反復回数が多い生徒は、日本語を見たら英語に直せるようになっていると思われるが、その場合には必ず紙に書きつけること。翌日の土曜日も、水曜日に同じ。翌週の月曜日にある授業に備えて、質問の準備をしておく。
木村達哉先生

木村達哉先生

灘中学校・高等学校教諭。学校での授業に加え、学習参考書やエッセーの執筆に励む。英語教師を育てる意図で「英語教師塾」を立ち上げ、全国の中学校・高等学校での講演の他、福島・沖縄の教育支援を目的に高校生向け勉強会を開催するなど、教育活動に精力的に取り組んでいる。「新ユメタン」シリーズ(アルク)、「夢をかなえるリスニング ユメリス」シリーズ(学校専売品、アルク)など著書多数。最新刊に「キムタツの大学入試英語リスニング 合格の法則【基礎編】」「キムタツの大学入試英語リスニング 合格の法則【実践編】」

今回木村先生にご紹介いただいた教材はこちら

新ユメサク

『新ユメサク』(アルク)

英作文の攻略には、日本語と英語の間の構造的な「溝」を埋めることが必要です。有効なのが「和文和訳」。自分の語彙・表現力の範囲で英語に直せるよう、日本語を加工するプロセスです。本書では、「和文和訳力」に加え、音声を使う反復トレーニングで「英語での発信力」も鍛えます。

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