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藤田保先生に聞く! 子どもの英語 いま知っておきたいこと

子どもの英語にまつわるさまざまな疑問への回答や英語教育に関する情報を、上智大学言語教育研究センター教授の藤田 保先生が分かりやすく解説します。
「子ども英語先生メールマガジン」バックナンバーからの転載記事です。

●著者プロフィール


藤田 保
上智大学言語教育研究センター教授。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。アルクキッズ事業アドバイザーを務める。NPO小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)理事。著書に『英語教師のためのワークブック』『先生のための英語練習ブック』(ともにアルク)など多数。


最新記事 [隔週更新] 2017/9/15UP!

※記事内の情報は、メールマガジン配信時点(2017年2月1日)のものとなります。予めご了承ください。


<Vol.3>英語教育が転換を図る背景



多様化する社会での「生きる力」を目指して



イメージ 前回は従来型の「知識をつける」教育から「知識を活用する」教育への転換を図ろうとしている日本の英語教育が目指す方向性について述べました。
そこで、今回はなぜそのような方向を目指す必要があるのかという背景をお話しましょう。

グローバル社会の経済基盤はこれまでの工業経済から、情報を基盤とした知識経済へと転換しています。工場で製品を作って輸出する時代にはみんなと同じことを迅速かつ正確にこなす能力が不可欠で、そのような社会に出ていく準備として学校でも計算・漢字・文法などのドリルを迅速かつ正確に解いていく訓練がなされました。


◆OECD「21世紀型スキル」とは

しかし、現在、そのような作業はコンピューターに制御されたロボットが担うようになり、人間にはより創造的・革新的な力が求められるようになりました。

また、グローバルに情報がつながっている社会の諸問題は一人の人間が解決するのは不可能なほど複雑化し、各専門領域の人々のチームがコミュニケーションを取りつつ協同して対応に当たる必要が生じています。

そうなると、学校で身につける必要のあるスキルもそれまでとは異なるものになったため、OECD(経済協力開発機構)が提案したのが「21世紀型スキル」と呼ばれるものです。

そこには、
(1)創造性や批判的思考などの「思考の方法」
(2)コミュニケーションやチームワークなどの「働く方法」
(3)情報リテラシーなどの「働くためのツール」
そして(4)責任感や市民意識など「世界の中で生きる」の4つの領域が含まれています。


◆「知識・理解」だけでは不十分

一方、文科省は評価の観点としてA「知識・理解」、B「思考・判断」、C「技能・表現」そしてD「関心・意欲・態度」をあげていますが、上記の21世紀型スキルと重ね合わせてみると表現方法には多少の違いはあるものの、(1)とB、(2)とC、(3)とA、そして(4)とDが同じものを目指していることが分かります。

従来型のA「知識・理解」だけを重視した教育では不十分で、B~Dも同様に重視しないとこれからの社会を生き抜くことが難しいという認識は、欧州でも日本でも同じなのです。

さらにこれは、さかのぼれば1996年の中央教育審議会の答申で言及されている「生きる力」すなわち「自分で課題を見つけ、自ら学び、考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」の育成から一貫している考えです。

その流れの中で、自ら探究し、考え、それを自分のことばで表現することのできる英語力を身につけることを目指しているのが現在の英語教育なのです。

※現行の学習指導要領

【参考文献】
・P. グリフィン、B. マクゴー、 E. ケア(編)三宅なほみ他(訳)『21世紀型スキル:学びと評価の新たなかたち』
 (2014年、北大路書房)
文部科学省『児童生徒の学習評価の在り方について(報告)』
文部省『21世紀を展望した我が国の教育の在り方について』


書籍紹介

『英語教師のためのワークブック』
著者:藤田保 価格:1,944円(税込)


レッスンプランの作成に困っている、とっさに子どもの前で英語が出てこない、自分の英語運用力に自信がない......そんな方にぜひおすすめの、児童英語教師にとって必要な英語力をトレーニングできる一冊。トレーニングを続けることで、レッスンの内容から流れまで、すべてをプランできる力が身につきます。

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